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2015年8月10日 (月)

先生の名言集 ― 広中平祐先生 その1

 創才セミナーに関わる先生方が語る、学習のコツ、生きる知恵についての名言を集めました。
 初回は、当会名誉顧問である広中平祐先生のお言葉です。
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 僕の場合は、母も父も小学校しか行ってないので、自分達に知恵がないと思い込んでいた。それが僕にとって非常に助かったんです。
 今から考えるとトンチンカンでもあるんだけれども、風呂の湯船に手を入れると、手が軽くなりますよね。「なぜ軽くなるんだろう」と母に訊くと、「手のことだったらお医者さんだろう」といって、僕を街のお医者さんのところへ連れて行くんですよ。田舎だからお医者さんが忙しくない時もあって、「おもしろい質問じゃないか」と、いろんな話をしてくれる。で、わからないながらも「おもしろい話聞いたな」と思って帰って来る。それから、「幽霊なんてあるんでっかなあ。」と言ったら、「それは一回お寺に訊いて見よう。」それでお寺に連れて行く。お寺のおばさんも「おー、おもしろいやっちゃ」と話をしてくれるわけです。
 僕の場合は、親が「自分が無知だ、知識がない」、ということをはっきり知っていて、助かったんです。
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   平成22年(2010) 8月28日、第五回全日本小中学生創才セミナー期間中に行われた
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 母に学んだことがある。
 ものを考えることは、考えることそのものに意味がある、価値がある、ということだ。
 子供の頃は誰しもそうだろうが、私も母に、いろいろなことをたずねた。
(略)
いろいろな質問をしたが、母はまず答えられたためしはなかった。
 しかし母は「わからない」とはいわなかった。「そんなこと、たいしたことじゃないけ、考えんでええ」と、うるさがることもなかった。
「さあ、どうしてじゃろうなあ」
と母が首をかしげると、また私が質問した。
「どうしたらわかるじゃろうか」
すると母は、
「大きくなって勉強したらわかるようになるんよ」
といいながらも、一緒に考えこんでくれるのである。ところが、考え込んでも答えはいっこうに見つからない。すると母はどうするかというと、私を連れて近くの神社の神主さんの所にいくのである。あるいは、懇意にしている医者の家を訪ねるのである。
 (略) この子がこんなことをたずねているのだが、ひとつ説明してやってください、こういって母は頭を下げるのだ。おかげで私は、よくわからないながも、ともかく答えを得ることができた。
 このような経験をくり返すうちに、私は子供心に、ものを考えることは考えること自体に意味がある、ということを知ったのである。
 母は私に、考えることの喜びを身をもって教えてくれたのだ。学者としてだけではなく、一人の人間としての私にも、このことは何にも代えがたい精神的財産となった。
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  ご著書『学問の発見』(後に『生きること 学ぶこと』と改題) より
   (文章に一部手を加えてあります)


29124_2
 平成22年(2010) 8月28日 座談会風景
 一番奥の椅子に座っているのが広中先生

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